2026年7月場所を振り返って 優勝争い 14日目 安青錦ー尊富士戦

 続いて2敗の安青錦と3敗の尊富士の一番となった。過去は去年の3月場所に1回だけ対戦があり、その時は安青錦が勝っている。尊富士は前日は大の里に完敗しており、ここは順当に安青錦が勝つと見ていた。

 相撲は尊富士が立ち合いで当たり勝つと左を差して右上手を取り、自分十分の形を作った。しかし安青錦は左から掬い投げを打ちながら回り込んでこらえた。そして尊富士が構わず寄り立てたところで安青錦が左から掬うと一瞬尊富士の右上手が切れた。尊富士はすぐに上手を取り直したものの上体が少しだけ浮いた。そこを安青錦が右上手を引きつけるとともに左から掬って体を入れ替え、最後は寄り倒した。

 勝った安青錦は自分の相撲ではなかったものの、粘りのある内容で2敗を守った。胸を合わされ、危ない形になったが体格的に大きな差はなく、結果的にそれが救われる形になった。ただ左は差せており、守りの形が作れていたのが逆転勝ちにつながった。語るべきはその強靭な精神力である。左足首に加えて場所中に左足親指を痛めており、また右足にも力が入っていないように見えた。この日に限らすよく勝てたと思う相撲ばかりである。最善を尽くして取る姿勢には胸を打たれるものがある。

 負けた尊富士は4敗となり、優勝争いから脱落した。右上手を取り、精一杯の相撲を取ったが安青錦に左へ回り込まれ、粘られたことが敗因である。元々が押し相撲の力士なので勝つとしたら一直線で運ぶしかなかったと私は思っている。それでも力は出し切っており、相撲は悪くなかった。

 これで3敗力士の内獅司と尊富士が優勝争いから脱落した。2敗は安青錦、3敗は霧島と熱海富士となり、優勝争いは3人に絞られた。

続く