2026年9月場所を振り返って 優勝争い 12日目 熱海富士ー大の里戦

 12日目。1敗で単独トップの大の里は3敗の熱海富士戦だった。過去の対戦成績は大の里が6勝3敗でリードしている。しかし今年に入ってからは3連敗しており、稽古場でもほぼ互角という情報もあり、油断できない相手である。一方熱海富士は大関獲りの場所だが既に3敗しており、この一番に負ければ場所後の大関昇進が厳しくなる。よって熱海富士にとって負けられない一番となった。

 相撲は大の里がカチ上げから右を差して下手を取ると、熱海富士が左からおっつけて前に出たところを右へ体を開いての下手出し投げで土俵に這わせた。

 大の里は熱海富士との力勝負に付き合わなかったことが勝因である。おそらく夏巡業で手合わせした中で対策を練っていたのだろう。右下手を取ると同時に空間を作り、シナリオ通りの内容で熱海富士の攻めをかわした。一枚上の相撲を取っており、難敵を術中にはめた。前日の相撲を含めて本来の相撲が戻ってきたと言えそうだ。

 一方負けた熱海富士は大関昇進に向けては痛い4敗目となった。左前廻しを取れず、大の里の動きを止められなかったことが敗因である。能力は持っているものの、まだ大関は時期尚早のようである。ただ残り3日あり、大関獲りを次の場所につなげることが大事である。間違ってもここで気持ちが切れてしまってはいけない。

 12日目終了時点で1敗は大の里、3敗は安青錦、藤ノ川、朝乃山の3人となった。また13日目はそれぞれ別の相手と対戦するので大の里が勝ち、3敗力士が全員敗れれば、大の里の優勝が決まることになる。

続く