2024年1月場所個別評価 狼雅
今場所は東十両3枚目だったが9勝6敗で勝ち越した。黒星スタートも2日目からは4連勝し、前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は10日目は鳥取城北高校時代の同級生だった新十両の尊富士を送り出しで破り、尊富士の連勝を止めた。しかし終盤は4連敗し、9勝で場所を終えた。
内容に関しては得意の右四つの相撲を主体に組み止める相撲で白星を挙げていた。特に良かったのが4日目の水戸龍戦と10日目の尊富士戦である。水戸龍戦は立ち合いからすぐに左前廻しを取り、相手の動きを止めた。そして頭を付け、左を深く差すと今度は右前廻しを取った。最後は水戸龍が突き落としを見せたがそのまま押し出した。水戸龍戦は三連敗していたがよく考えて相撲を取ったと思う。相手に力を出させないという点で好内容だった。尊富士戦は上手い相撲を取った。当たってすぐに左からおっつけながら左に回り込んで相手を横に向かせ、送り出した。右差しも左上手も狙っておらず、勝つにはこれしかないと決めた印象である。また同級生だが先場所は新入幕を果たしており、キャリアは上である。経験値を活かした相撲内容だった。
一方で少し残念だったのが終盤の四連敗である。特に12日目の白鷹山戦は引いて呼び込んだところを一気に押し出された。引いた場面は引くのではなく、我慢してほしかったところである。またこういう相撲を取ると翌日からの相撲の流れが悪くなる。結局悪い流れを止められないまま終わってしまった。11日目までの相撲の流れが良かっただけに非常に勿体ない。また目先の白星にこだわるのではなく、場所を通して自分の相撲を取ることに集中したい。
3月場所は西前頭15枚目となり、再入幕となったが勝ち越しを期待したい。課題はやはり立ち合いである。組み止めれば強い力士なので組み止めるまでの流れが非常に重要である。それでも勝ち越せるだけの力は持っており、今度は結果を出したい。