2026年7月場所個別評価 朝乃山
今場所は東前頭10枚目だったが9勝6敗という成績だった。初日白星の後連敗した。しかし4日目からは連勝し、10日目に勝ち越しを決めた。その後は好成績の力士との対戦となったが星を伸ばせず、9勝で場所を終えた。
先場所は勝ち越しを前に左足甲を痛めて途中休場した。そして場所後のパリ公演も休場した。怪我の状態に加えてフライト時間の長さも考慮し、苦渋の決断を下した。その後名古屋場所に向けて調整を重ねたが、10日目での勝ち越しであり、パリ公演参加を断念した成果と言えそうだ。
内容に関しては右四つに組んで前に出る力強い相撲で白星を挙げていた。左膝に古傷を抱えているものの元大関であり、早々と勝ち越したのは当然かもしれない。ただ今場所は若ノ勝、藤凌駕、琴栄峰といった活きのいい若手力士に負けており、簡単に勝てる状況ではなくなってきているのも事実である。その中で12日目の欧勝馬戦は執念を見せた。押し合いから左にいなされて泳がされると攻め返すも再度押し込まれた。すると土俵際で何とか左へ回り込んで左上手を取り、上手投げで裏返しにし、館内からは大きな拍手が上がった。取組後は「最後の粘りは声援が背中を押してくれたかな。連敗は仕方ないくらい吹っ切れていた」と語った。この気持ちがあれば当分は大丈夫である。
また終盤は「怪我なく」というコメントが多く、自覚して相撲を取っているので、私としてはその言葉にホッとしている。上を目指すのは構わないが、今度大怪我をしたら引退に追い込まれるので、そのことを頭に入れて相撲を取って欲しい。先場所まではただ必死に相撲を取っているように見え、私的には不安を覚えた。しかし今場所は自身の体調を把握した上で相撲を取っており、無事に千秋楽まで取り終えたのが何よりである。
9月場所は東前頭6枚目となったがまずは勝ち越したい。また左膝の状態を踏まえれば前に出るだけではなく、速い相撲を取ることが求められる。廻しが取れればそれが一番だが、相手もそれは分かっており、取れなくても前に出る相撲が取りたい。それと同時に今度も怪我なく無事に千秋楽まで取り終えることを願うばかりである。
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