目指すは貴景勝! 若ノ勝 師匠の元大関・貴景勝の紹介 必殺技の突き落とし
相撲に関しては突き、押し一本だったが、二の矢の当たりが強かったことが大関に上がれた要因である。そしてもう一つの武器だったのが左からの突き落としである。参考にしたのが嘉風フェイントのようだ。攻める中で体をフッと沈み込ませる技だが、嘉風はフェイントをかけた後に懐に入っていた。しかし貴景勝は腰を入れ、膝のバネを利かせて当たって起こした。これは貴乃花部屋の稽古場で、貴ノ岩や幕下以下の力士を相手に、試行錯誤を重ね、自分の相撲に合ったフェイントが少しずつ形になっていった結果だった。
また貴景勝は「『相手をよく見て押す』って言われますけど、どこを見ているか分かりますか?。足を見ているんです。腰を入れて何度も起こしながら相手の足を見て、足が揃ったら突き落とすんです」と語った。そして「手先で突き落とすのではなく、腰を回転させながら左手をぶつけるんです。残されたら左手首を返す。それでも残されたら右手で頭を押さえる。これでほとんど決められました」という。一般的に突き落としはその全てではないものの、窮地に追い込まれた力士が繰り出す技といった印象がある。しかし貴景勝の突き落としはそのほとんどが土俵中央で決めていた。また失敗はほとんどなく、面白いように必殺技が決まっていた。現役時代は本人から技術的な話が聞かれることはなかったが、そのことに触れると「企業秘密だったからね」と笑った。確かに現役時代に語れる内容ではない。今では貴景勝のような突き落としが時折見られるようになってきたが、やはり自ら考えて技を編み出したのは凄いとしか言いようがない。よく突き・押しは連勝、連敗が多いと言われるが、貴景勝は突き押しとともに突き落としも磨いたことで安定感が抜群だった。また首を痛める前までは手足が短いにも関わらず廻しを取られることがほとんどなく、相手との駆け引きも上手かった。そして大一番では勝負強さを発揮した。
続く
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