義ノ富士に追いつけ! 藤青雲 2024年5月場所13日目の草野(現・義ノ富士)戦
真っ先に思い出されるのが2024年5月場所13日目の草野(現・義ノ富士)戦である。藤青雲はこの場所は東幕下11枚目だった。左膝の大怪我で三段目まで番付を下げ、十両復帰に向けた場所だった。一方の草野は幕下60枚目付出であり、初土俵の場所だった。また6戦全勝同士ということで勝った方が幕下優勝という一番だった。藤青雲は幕下15枚目以内の位置なので勝てば十両復帰が決まる。よってプレッシャーが掛かる状況だった。その上藤青雲にとって草野は同じ熊本県出身だけでなく、文徳高校の4年後輩に当たる。そして自身が明大時代には国体前の稽古で胸を出したことがある。藤青雲が前相撲デビューに対し草野は幕下付出のエリートという意味でも負けられないという気持ちがあったかもしれない。ただこの場所の草野は圧倒的な強さを見せており、私は草野が勝つと見ていた。
しかし勝負事はフタを開けてみなければ分からない。相撲は激しい突き押しの応酬から藤青雲が機を見てモロ差しとなった。そして草野の右巻き替えに乗じて前に出て体を預けるようにして寄り倒した。
草野は今でもそうだが激しい相撲を取るタイプなのでいつも通りの相撲だった。驚いたのは藤青雲の内容である。普段は相撲の上手さを前面に押し出すタイプであり、激しい相撲を取る力士ではない。しかしこの一番は草野のスタイルに合わせるようにして激しい相撲を取った。また何としても負けられないという強い気持ちが伝わってきた。そして私的にはこういった相撲がいつも取れればいいのに・・・と思った次第である。
その後藤青雲は十両に定着したものの、新入幕まで2年近くを要した。一方草野は所要5場所で新十両となると2場所連続優勝で新入幕となった。そして入幕後も3場所で三賞を受賞し、金星を挙げるなど華々しい活躍を見せている。藤青雲はあっという間に追い越されてしまった形だが、その差を詰めていきたいところだ。
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