2026年5月場所個別評価 琴栄峰

 今場所は東前頭13枚目だったが10勝5敗の好成績だった。5連勝スタートを切り、前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は10日目に勝ち越しを決めると12日目は朝乃山の休場による不戦勝で幕内では初の二桁勝利となった。翌13日目の霧島戦は軍配をもらったものの物言いの末うっちゃりで敗れての惜敗となった。そして終盤は連敗し、千秋楽は義ノ富士との4敗対決に敗れ、敢闘賞受賞を逃した。ただ優勝争いに絡んでの10勝は素直に評価できる。

 内容に関しては四つに組む相撲と投げ技で白星を挙げていた。5日目の狼雅戦は当たってすぐに左前廻しを取られたものの左下手を取ると右から強烈におっつけて狼雅の上体を起こし、力強く寄り切った。力を付けているのが分かる相撲だった。そして7日目は埼玉栄高校の同級生の若ノ勝戦だった。相撲は若ノ勝がぶちかましてから押し込んだものの押し返すと若ノ勝の左を手繰り、のめったところを引き落とした。2日前に兄の琴勝峰が王鵬との埼玉栄の同級生対決を激しい相撲で勝っており、刺激を受けたようである。決まり手は引き落としだったが決まるまでは真っ向勝負の押し合いであり、見応えがあった。また今後も琴勝峰ー王鵬戦同様、激しい相撲が期待できそうだ。

 そして負けはしたものの、13日目の霧島戦は見せ場十分の内容だった。両差し狙いも右は入らず、右上手を取って寄ったが霧島は左掬い投げで残した。その後右上手を切られ、お互いに右上手が取れない形になった。しかし琴栄峰が右上手を取ると右外掛けで崩して寄り詰めた。しかし霧島が土俵際でしぶとく左へうっちゃり、逆転負けとなった。しかしこれが初の大関戦、かつ初の結びの一番と考えると大健闘であり、存在感を見せた。

 また残り2日は上位力士相手に連敗し、いずれも完敗だった。ただ対戦した若隆景と義ノ富士は霧島戦の内容を見ており、組み合ったらまずいと警戒されて速攻相撲を取ったようにも見えた。終盤は3連敗したものの、番付的には対戦できる相手ではなく、肌を合わせることができただけで収穫である。

 来場所は自己最高位を更新し、平幕中位まで番付を上げそうだ。全体的にはまだ投げ技に頼っている部分があり、もう少し正面で受けられるようになりたい。そのためには増量が不可欠である。現在142キロだが、少しずつ増量して150キロには乗せたい。ただ体重が増えてきているのでクリアするものと思われる。そして増量できれば速い相撲にこだわる必要がなくなる。兄同様身体能力が高く、今後が非常に楽しみである。