2026年5月場所個別評価 翔猿
今場所は東前頭15枚目だったが9勝6敗という成績だった。3連勝スタートを切り、前半戦はトップタイの7勝1敗で折り返した。そして後半戦は10日目に4場所ぶりとなる勝ち越しを決めると11日目は朝乃山に勝って2敗を守った。しかし終盤は4連敗し、9勝で場所を終えた。
内容に関しては懐に入っての押し相撲と引き技で白星を挙げていた。7日目の獅司戦は強烈な右カチ上げを食らい、左を差されたものの頭を付けて右上手を取ると上手投げで振り回し、最後は出し投げで這わせた。体が動いており、好調ぶりを示した一番だった。
8日目の宇良戦は熱戦となった。相撲は立ち合いからいつものように押し合いといなし合いの応酬となった。その後宇良が右を差して寄ると左からの突き落としに泳がされた。そして押し出され、宇良が軍配を受けた。しかし土俵際で粘って宇良の右手が付くのも早く、物言いが付いた。結局同時と見て取り直しとなった。取り直しの一番は低い体勢からの押し合いとなったが宇良が引いたところを一気に押し出し、熱戦を制した。取り直し前の一番が両者激しく動き回っており、翔猿の方がスタミナが残っていた分勝ったという印象である。
11日目の朝乃山戦は当たってモロ差しとなったものの朝乃山に右巻き替えを許して寄り詰められた。しかし左がバンザイになりながらも左へ回り込んで引いて這わせた。起死回生の逆転勝ちだったが、この相撲で朝乃山が左足を痛めて翌日から休場した。しかし翔猿も土俵際で残した際に左足に朝乃山の全体重が乗っており、左足を痛めたようである。休場こそしなかったものの翌日からは足に踏ん張りが利いておらず、4連敗は仕方がない。それでも優勝争いに絡んでおり、久々に健在ぶりをアピールした。
来場所は再度の勝ち越しを期待したい。所属する追手風部屋は遠藤、大奄美、剣翔が引退して関取衆が減った。その一方で幕下には伸び盛りの若手力士が多数おり、充実した稽古ができているようである。また今年3月場所限りで兄の英乃海が引退し、気持ちを新たにして相撲に取り組んでいるかもしれない。小兵力士であり、最近は怪我が多くなってきているのが気掛かりだが、まだまだ頑張って欲しい力士である。また部屋の有望な若手力士を一人でも多く関取へ引き上げる役割も求めたい。
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