2026年5月場所個別評価 宇良
今場所は東前頭11枚目だったが10勝5敗の好成績だった。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦は9日目から連勝し、11日目に勝ち越すとともに優勝争いにも名を連ねた。しかし13日目は義ノ富士との3敗対決に敗れ、優勝争いから後退した。千秋楽は勝てば敢闘賞受賞だったが霧島に敗れ、受賞を逃した。
内容に関しては押し相撲と機を見て懐に入る相撲で白星を挙げていた。また勝った相撲はどの内容も素晴らしく、取組後は館内から大きな拍手が上がっていた。今更だが、独特の動きで館内のお客様を魅了していた。人気があるのは当然である。私的には勝った相撲はどの相撲も語りたいのだが、厳選して3番だけ触れたい。
4日目の獅司戦は右から強烈なカチ上げを食らったものの頭を上げず、その後右から叩かれて泳がされ、右で突き出されそうになった。しかし頭を沈めてかわして右腰に付くと左下手投げで這わせた。追い詰められても腰を沈めてかわすあたりは独特の動きであり、真骨頂である。またこういった動きをされると相手が攻めにくくなる。そして相手が迷ってくれるので精神的にも優位に立てる。この相撲から白星を量産しており、対戦相手を恐れさせるという意味でも大きな白星だった。
11日目の若ノ勝戦は突き起こされた後土俵際まで押し込まれた。しかし弓なりになりながらこらえると二本差して寄り返し、すかさず右肩透かしで若ノ勝を転がした。押し込まれながらも懸命になって残した後すぐの肩透かしであり、技にキレがあった。取組後はどうだと言わんばかりに胸を張り、二字口に戻った。千両役者である。
そして14日目の藤ノ川戦は立ち合いで低く踏み込み、藤ノ川の左差し狙いを封じた。その後藤ノ川に突き起こされ、右へ回り込んで残すと今度は右ノド輪で一気に押し込まれた。しかし土俵際で右から突き落とすと藤ノ川は勢い良く土俵の外に飛び出した。取組後は両手を挙げると拳を握る謎のポーズを見せていた。時に見せるポーズも独特であり、この部分も人気の理由の一つである。15日間通して見たが、個人的には技能賞をあげたくなるくらいの内容だった。
来場所は番付を上げるが再度の勝ち越しを期待したい。年齢は今月で34歳となり、ベテランの域に入ってきた。しかし同部屋には一学年下の美ノ海がいる。美ノ海は三役を目指しており、宇良も美ノ海に続く形で三役復帰を目標としたい。また幕下では元幕内の志摩ノ海も頑張っており、ベテラン扱いされにくい環境はプラスである。そして観客を沸かせるとともに若手力士の壁にもなって欲しい。
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