2026年5月場所個別評価 安青錦

 今場所は初のカド番となったが初日から休場し、在位3場所で大関からの陥落が決まった。

 先場所は場所中に左足小指を痛めたことが原因で入門以来初となる負け越しとなった。場所後の春巡業は参加していたが巡業3日目に骨折したことが判明し、巡業を離脱した。そして場所前の稽古総見では9番取り、遅れを取り戻すために精力的に動き出した。しかし急ぎ過ぎが裏目に出た。5月6日の出稽古先の荒汐部屋で若元春と稽古中、バランスを崩して仰向けにひっくり返り、左足首を痛めてしまった。ただちに稽古を切り上げて病院に向かった。しかし症状は深刻であり、初日の2日前に休場届を提出した。師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)は「足首が腫れている。歩くのが精一杯、ということだった。痛みが引けば、途中から出る方向でいる」と途中出場に含みを持たせた。

 しかし場所6日目、安治川親方が「無理はさせられない。来場所は10勝ではなく、優勝を目指してやっていく」と途中出場を取り消して全休を明言した。これにより大関陥落が確定した。

 気になったのは師匠を含めた二人の焦りである。大関の地位を守りたいというのは分かる。しかし年齢は22歳と若く、まだまだこれからの力士である。仮に来場所10番勝てずに大関に復帰できなかったとしても悲観することはない。

 そして個人的には足を痛めたのは地力不足が原因と見ている。体重は142キロと軽量であり、上体を起こされて攻められたら足に負担がかかるのは当然である。それに加えて稽古量の少なさも一因として考えられる。確かに低い姿勢での取り口は魅力がある。しかしその一方で増量や立ち合いの当たりの強化など課題も多い。よって怪我を機に自分の相撲を見直すのも悪くないと思っている。

 来場所は10勝以上を挙げれば大関特例復帰となる。ただ過去を見ると特例復帰での復帰例は多くなく、ハードルが高いという印象がある。また中日までに6勝を挙げれば10勝が見えてくるが、5勝以下では厳しくなってくる。よって中日までに6番勝てるかが目安になると私は考えている。ただ入門してまだ3年経っておらず、失敗したとしても経験とすればいいだけの事である。よって目先の一番一番に集中することがベターなのかもしれない。