琴奨菊引退 その5

 しかし先程触れた2020年9月場所は2勝10敗3休となり、十両陥落が決定的となった。去就が注目されたが現役続行を宣言。そして11月場所は西十両3枚目で相撲を取ったものの成績が上がらず、千秋楽を待たずしての引退となった。

 記録としては幕内最高優勝が1回。三賞は7回受賞しており、殊勲賞が3回、技能賞が4回である。また通算成績に関しては幕内出場の1332回は歴代6位、幕内在位92場所は歴代7位、そして大関在位32場所は歴代11位タイの記録である。特に大関在位32場所の記録は立派である。大胸筋断裂の大怪我をしながらもカド番を脱出し、その後も粘り強く大関の座を守ってきた。またモンゴル人力士の全盛期であり、稀勢の里、豪栄道などとともに日本出身力士として存在感を示してきた。繰り返しになってしまうが大関に昇進し、大関を5年以上務めたことに意義があったと私は思っている。それでは琴奨菊について更に掘り下げて語りたい。テーマは5つある。

続く