大の里の今後を占う 不祥事に関して

 書こうか迷ったが、今後を占う上で触れない訳にはいかない。一部報道では飲酒強要疑惑が伝えられているが、もし事実だとしたら今の時代ではあってはならないことである。ただ時代が変わっても大相撲の番付社会は全く変わっていない。よって一歩間違えば暴力やハラスメントが起きかねない状況である。私的には大の里のような件は今後も起こると見ている。協会側が暴力根絶を訴えているのは分かるが、番付社会そのものを変えない限り無理があると私は思っている。大の里は反省し、行動を改めていくしかない。

 週刊誌の記事を読んで気になったのが稽古とその後の食事以外は師匠は力士とほとんど接触しないという部分である。また師匠の部屋と力士の部屋はそれぞれ別の建物のようである。しかも敷地が広い。師匠の監督不行き届きが原因で不祥事が起こったのは容易に想像できる。閉鎖された宮城野部屋の師匠だった元横綱白鵬は部屋に住んでおらず、自宅から通っていた。そのことが北青鵬が部屋で暴力を振るっていた原因の一つと見ていいと思う。結局北青鵬は責任を取って引退し、協会は受理したが、協会としての処分は「引退勧告相当」であるとした。程度の差はあるが、大の里の件もある意味では北青鵬と一緒である。二所ノ関親方の管理能力が今後問われることとなりそうだ。

 あとは不祥事とは関係ないが、部屋付きの元関脇嘉風の中村親方が9月場所後に独立するようである。中村親方は元々独立したかったようだが離婚などがあり、独立できなかった。また日体大OBであり、独立となると関取の友風や白熊に加えて幕下の嘉陽や宮城など8~10人が一緒に移籍すると見られている。一方大の里は中村親方や白熊を頼っての入門ではあったが、二所ノ関親方の弟子ということで移籍はせず、二所ノ関部屋に残ることになる。少し先のことだがこれらの力士が抜けるとなれば大の里の稽古相手がいなくなる。また日体大の先輩が揃っていなくなった時に大の里がどうなるか?。部屋頭として先頭を引っ張っていけば問題ないのだが・・・。中村親方が実際に独立したら大の里にとっても二所ノ関親方にとっても大きな曲がり角となりそうである。一番現実的なのが師匠自ら体を張って大の里に稽古を付けることかもしれない。

続く