2022年7月場所個別評価 御嶽海

 今場所は2勝5敗8休という結果に終わった。白星スタートも2日目から連敗。そして5日目から再び連敗と黒星が先行していた。その後7日目に部屋関係者のコロナ感染が判明し、7日目から休場となった。また翌日に自身のコロナ感染が発表された。今場所はカド番であり、救済措置が取られなければ大関陥落となるところである。しかし明言はしていないものの、相撲関係者によると、来場所も大関に据え置かれ、引き続きカド番となる方向で話が進んでいるようである。

 内容に関しては先場所痛めた右肩の影響だと思うが、立ち合いの当たりが弱く、防戦一方という相撲が多かった。そして痛めている右も使えているようには見えなかった。立ち合いの当たりの強さが持ち味の一つなので、その当たりが弱ければ話にならない。この内容が今後も続くようだと大関陥落は時間の問題である。

 場所後は夏巡業に参加し、大関同士で申し合い、つまり勝ったものが何度も相撲が取れる稽古を行うなど右肩は回復傾向にあるようだ。おそらく稽古をしながら右肩のメンテナンスをしつつ、体を立て直していくという方向だと思う。取りあえず悪化はしていないようなのでその部分は朗報である。

 来場所は再度のカド番となりそうだが、まずは最低限勝ち越してカド番を脱出したい。今場所は黒星先行で苦しくなったところでのコロナ関連による休場という意味では救われたようにも見えた。ただ6日目までしか相撲を取っておらず、筋力の低下が少し心配である。当然だが右肩の回復具合がポイントである。今場所のように右肩の痛みが原因で立ち合いの当たりが弱くなるようだとカド番脱出は厳しくなる。やはり前半戦をどう乗り切るかがカギを握りそうだ。カド番なので内容ではなく、結果として前半戦を白星先行で乗り切りたい。また白星先行でいけば勝ち越しは大丈夫だろうと私は見ている。本人は二桁勝利以上を目標にしているようだが、私としては来場所は大関の地位を守ってくれればそれで十分である。