大相撲11月場所個別評価 大栄翔

 西前頭2枚目であり、3場所ぶりの平幕だったが10勝5敗という成績だった。6日目までは3勝3敗だったが7日目からは連勝し、11日目に勝ち越しを決めた。12日目からは連敗するも終盤は連勝し、白星を2桁に乗せた。

 内容に関しては10月に右ひじの遊離軟骨除去手術を受けたので本調子ではなく、復調途上といった感じだった。当然だが右があまり使えなかったので、珍しく途中で叩く相撲が何番か見られた。これは仕方がない。それでも後半戦は少しずつ右も使えるようになったので白星が伸びた。実力を考えれば三役で2桁勝利を挙げたこともあり、平幕で相撲を取る力士ではない。

 素晴らしかったのはやはり8日目の照ノ富士戦である。右が十分使えないので立ち合いから頭を付けて右はおっつけ、回り込みながら応戦した。そして間隔が空いたところを左からの攻めで一気に押し出した。本来ならガチンコの突き押し相撲だったと思うが、自身の調子と照ノ富士の嫌がる相撲を考えながらの作戦だった。照ノ富士も頭を付けるというのは頭になかったと思う。少し意表を突いた内容で照ノ富士に初黒星を付けた。また結果的には貴景勝が優勝したという部分でこの一番が優勝争いを左右したともいえる。

 1月場所に関しては三役復帰は難しそうである。再度勝ち越しての三役復帰を期待したい。また関脇・小結の4人はいずれも実力者であり、基本的には誰かを引きずり降ろさなければ三役には上がれない状況である。成績を残す以上に関脇・小結に勝つことが求められる。おそらく右ひじの状態は上向いてくると思うので今場所以上の相撲内容を期待したい。