大相撲11月場所個別評価 若隆景

 自己最高位の西前頭筆頭であり、初となる上位力士総当たりの番付となったが7勝8敗で負け越した。初日の正代戦は立ち合いから相手の懐に入ると二本差しで一気に寄った。しかし物言いの末突き落としで敗れ、対大関戦初勝利は成らなかった。前半戦は2勝6敗で折り返した。筆頭ということで初日から役力士との対戦が続き、なかなか勝てなかった。2勝のうちの1勝は不戦勝である。そして後半戦も連敗し、10日目に負け越しが決まった。しかし11日目からは5連勝し、7勝8敗で場所を終えた。

 内容に関しては正代戦は見せ場十分だったものの、それ以外の上位力士には歯が立たなかった。立ち合いで変化するなど工夫は見られたが相手のバランスは崩せず、何もできずに土俵を割るといった相撲が多かった。今後に向けては立ち合いの当たりの強化と体重増が必須である。その一方で平幕力士との対戦では自分の相撲を取れていた。特に相撲巧者の妙義龍やベテランの隠岐の海に勝ったのは評価できる。また負け越した後も気持ちを切らさず、7番勝ったのも素晴らしい。普通なら相撲のリズムが悪くなり、そのまま黒星が重なってもおかしくないところだが、目の前の一番一番に集中して負け越しの幅を最小限にとどめた。こういったあたりは気持ちの強さも持ち合わせており、今後に期待できる。

 1月場所は番付は下がるものの、再度の上位力士総当たりの番付になりそうだ。今場所は正代戦だけだったが1月場所は上位力士相手にもっと見せ場を作って欲しい。上位力士とは一通り対戦したので、それを踏まえての相撲を期待したい。スピードとセンスは持っているので立ち合いで先手が取れれば上位力士に勝てる可能性は十分ある。当然だが勝ち越しを期待したい。