2023年11月場所を振り返って 優勝争い 12日目 霧島ー琴ノ若戦

 12日目。霧島と琴ノ若の二敗同士の直接対決が組まれた。熱海富士はいるものの経験がなく、この取組の勝者が優勝に大きく近づくのは確かである。相撲は霧島が立ち合いから押して前に出るとすぐに左で廻しを取り、右も前廻しのいいところを取った。琴ノ若は右下手は取ったものの、こうなってしまってはどうしようもない。霧島が両廻しを取った時点で勝負あったというところである。しかし霧島は焦らない。攻めながらも琴ノ若の右からの下手投げを警戒し、左廻しをずらしながら脇を締めた。そして万全の体勢を作って最後は寄り切った。2敗対決を制しただけでなく、流石大関という相撲だった。

 一方琴ノ若は残念な結果となった。1回目の立ち合いが合わず、2回目の立ち合いは霧島に合わせてしまった。また差すのか突き離すのか分からない中途半端な立ち合いとなった。これで優勝争いから一歩後退し、場所後の大関昇進も厳しくなった。しかし冷静に見れば相撲の完成度の差がそのまま結果となって表れたのかもしれない。相撲内容の更なる向上を期待したい。

続く