2026年7月場所個別評価 寿乃富士
今場所は西十両4枚目だったが11勝4敗の好成績だった。序盤は3勝2敗だったが6日目から連勝し、優勝争いでトップの嵐富士を1差で追走した。そして千秋楽は輝に勝ち、優勝決定戦に進出した。1回戦は嵐富士との同部屋対決を制した。しかし決勝の湘南乃海戦はあと一歩のところまで追い詰めたものの寄り切られ、十両優勝は逃した。
内容に関しては得意の右四つに組んで前に出る相撲で白星を挙げていた。先場所は投げ技が多かった印象があるが今場所は上手投げで勝った2番だけであり、相撲に進境が見えた。
特に良かったのが9日目の時疾風戦と千秋楽の輝戦である。時疾風戦は当たってすぐに相手得意の右上手を取られると上手投げを打たれた後寄り詰められた。しかし左下手を取り、懸命に残すと右を巻き替えてモロ差しとなり、一気に寄り切った。体が柔らかいので不利な体勢になっても我慢できる。また安易に投げ技に走らなかった点も評価できる。輝戦は当たって押し込まれたものの右へいなして体を入れ替えて残し、左を差すと形勢逆転し、輝の左突き落としに乗じて押し出した。この相撲も時疾風戦同様我慢しており、強くなっているのが分かる内容だった。
そして惜しかったのが優勝決定戦での湘南乃海戦である。当たってすぐに左下手を取ると右も巻き替えてモロ差しとなった。その後右は巻き替えの応酬となったが右廻しを取ったところで湘南乃海が左上手を取り、両上手となった。その後右下手を取って寄り立てたものの体を入れ替えられ、寄り切られた。結果的に湘南乃海のスケールの大きな相撲に敗れたという感じである。反省点はあるものの相撲の完成度は高くなく、この経験を糧として強くなって欲しい。
9月場所は新入幕となり、西前頭16枚目となった。また同志社大学出身では1998年11月場所の大碇(現甲山親方)以来で4人目となった。勿論目指すは二桁勝っての敢闘賞受賞である。スケールが大きい上に体型も白鵬に似ており、将来が非常に楽しみである。モンゴル出身では幕下の旭富士が話題となっているが、旭富士が上がってくる前に活躍する可能性もあり、注目したい。
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