2026年7月場所個別評価 琴栄峰
今場所は自己最高位の東前頭7枚目だったが11勝4敗の好成績で初三賞となる敢闘賞を受賞した。黒星スタートも2日目からは怒涛の勢いで9連勝し、優勝争いで安青錦と首位を並走した。しかし翌日からは3連敗し、初優勝が遠のいた。それでも14日目は元大関の朝乃山に勝つと千秋楽は勝った方が敢闘賞という一番で優勝経験者の尊富士を真っ向勝負から押し出し、受賞を決めた。
場所前から好調が伝えられており、強くなったとの情報が入ってきた。その勢いをそのまま本場所で発揮した。また地力強化は決まり手にも表れており、先場所は投げ技で4番勝っていたが、今場所は宇良を小手投げで破った一番だけだった。その大半は前に出る相撲で勝っており、相撲に力強さが出てきた。
特に印象に残ったのが4日目の高安戦と14日目の朝乃山戦である。高安戦は差し手争いに負け、左を差された。しかし左下手を取り、右はおっつけて我慢した。その後左下手投げから高安の左下手を切ると同時に右を巻き替え、高安の右上手も切って前に出て寄り切った。負けた高安は「廻しを取って、そのまま寄り切るイメージだったけど、足が動かなかった。相手は力が付いてきた」と語った。私的には右からのおっつけが効いていたように見えた。先場所までなら考えられない内容であり、正直驚いた。朝乃山戦は低く当たって右を差すと左も差そうとしたが朝乃山に右からおっつけられて前に出られた。しかし朝乃山が右をこじ入れようとしたところで右下手を取ると最後はモロ差しとなり、一気に寄り切った。負けた朝乃山は「踏み込んでいたけど相手が低かったんで、体をぶつけきれず中に入られた」と語った。先場所までならおそらく上体を起こされてそのまま寄り切られていたと思う。また相撲を取っての対朝乃山戦初勝利となった。
そして3連敗に関しては獅司戦は左上手を取られたことが敗因だが、1分の熱戦であり、館内のお客様も大いに沸いた。熱海富士戦は攻め続けて前に出たものの熱海富士が土俵際で突き落としを見せ、同体取り直しとなった。そして取り直しの一番は完敗に終わったものの、取り直し前の相撲は熱海富士の粘りがなければ勝っており、あと一歩だった。負けたとはいえどちらも力を出し切っており、私的には満点をあげたい。
来場所は初の上位総当たりの番付となり、前頭筆頭が予想される。初日から上位力士と当たる厳しい位置だが、勢いがあるので非常に楽しみである。またひょっとしたら兄の琴勝峰との優勝争いが見られるかもしれない。兄はつかみどころがないタイプだが、弟は自己主張が伝わってくるタイプであり、対照的なのが面白い。相撲に関しては今場所見せた速攻相撲に更に磨きをかけたい。
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