2026年3月場所個別評価 高安

 今場所は7勝8敗で負け越した。5連勝スタートを切り、7日目までは6勝1敗と好調だった。しかし8日目は霧島との関脇対決に敗れると連敗が止まらなくなり、14日目に負け越しが決まった。しかし千秋楽は熱海富士に勝ち、三役残留に向けて大きな7勝目となった。

 内容に関しては前半戦は左四つの相撲を主体に白星を伸ばした。4日目の琴櫻戦は頭からぶちかまし、差し手争いに負けたものの、左上手を取ると下手も取り、琴櫻の右下手を切った。得意の四つではなかったものの寄り立てると琴櫻の左巻き替えを許さず、左上手出し投げを連発して寄り切った。私的には技の引き出しの多さに魅了された一番だった。翌5日目の義ノ富士戦は鋭い踏み込みから左を差し勝つと右上手を取って胸を合わせ、一方的に寄り切った。この時点では初優勝の雰囲気さえあった。

 しかし後半戦は黒星が増えるとともに内容も悪くなっていった。元々が腰に爆弾を抱えており、体調管理には万全を尽くしているようである。しかし36歳のベテランなので場所を通して維持するのは至難の業のように見える。また終盤は勝てる雰囲気さえなく、千秋楽は負けるものだと思っていた。しかし熱海富士を上手ひねりで破り、連敗を6で止めた。腐らずに体調管理を続けたことが連敗ストップの要因である。勿論場所を通して体調が良ければベストだが15日間は長く、そう甘いものではない。よって全力を出し尽くした結果だと見ている。

 来場所は関脇据え置きの可能性も出てきた。力量的な衰えはなく、前半戦の相撲を観たら7勝という数字が勿体無く見える。実力を考えればやはり二桁勝って欲しいところだ。また5月場所は東京場所であり、気温も上がるので体調を整えやすい要素が揃っている。あとは場所中だけでなく、場所前の稽古も腰に細心の注意を払いつつ、場所初日を迎えたい。