歴史をつないだ男! 栃大海 2024年9月場所千秋楽の木竜皇戦
2024年9月場所千秋楽、東幕下筆頭に番付を下げていた栃大海は十両の土俵で木竜皇戦だった。また直前の取組では部屋で唯一関取の座を守っていた東十両13枚目の碧山が敗れて5勝10敗となり、幕下転落が確実となっていた。ということで部屋の最後の砦として土俵に上がったが引き落としで勝ち、勝ち越しを決めると同時に来場所の十両復帰を確実にした。取組後は「関取だけは途切れないようにと思って、いつもの倍の緊張感だった」と語った。また勝負が決まった後は「ヨシッ!」とつぶやいたようにも見えた。綱渡りではあったものの、89年ぶりとなる春日野部屋の関取ゼロが回避され、大記録は継続された。
栃大海は豊昇龍、王鵬、琴勝峰と同学年であり、期待の若手力士である。しかし幕下で長く足踏みし、出世争いで3人に大きく後れを取った。本来ならもっと早く十両に上がり、関取ゼロの話題が上がらなくて済んだところである。しかし出世が遅れた分だけ話題になってしまった印象がある。
春日野部屋は栃錦、栃ノ海の二横綱、栃光、栃ノ心の二大関を輩出した名門である。よって関取不在となることは部屋だけでなく、相撲ファンの関心事となるのは当然である。出世が遅れたとはいえ、最悪の事態は回避した。おそらくギリギリの実力では回避は不可能だったと思う。手足が長く、才能に恵まれていたからこそ大一番で力を発揮できたと言える。やはり大器であることは間違いない。それでは栃大海を紹介したい。
続く
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