2021年7月場所を振り返って 優勝争いなど その2
後半戦も白鵬と照ノ富士は順調に白星を積み重ね、13日目終了時点でも2人は全勝を守っていた。そして千秋楽は2人の直接対決だが、14日目は2人にとって難敵が対戦相手だった。照ノ富士は対戦成績で負け越している高安と、そして白鵬は前回の対戦で敗れている正代との対戦となった。また高安、正代どちらも勝ち越しておらず、その部分でも注目の14日目となった。
まずは照ノ富士である。高安相手に前傾姿勢は崩さず、廻しも取りにはいかない。一旦は高安が右を差し、前に出るも照ノ富士がいなして再び離れた。そして高安が引いたところを突き起こし、左上手を取ると横向きになった高安を一気に寄り切った。照ノ富士からすれば高安が引くのを待つといった相撲内容であり、完勝と言ってもいいと思う。また苦手克服という部分でも満点の内容だったと言える。
そして白鵬である。異例と言える徳俵付近からの仕切りで周囲がざわついた。立ち合いで左から張り、そして今度は右から張り、左上手を取るも再び離れ、にらみ合いとなった。そしてにらみながら正代を少しずつ土俵際に追い詰めると右四つに組み、最後は浴びせ倒した。内容は別にして、白鵬が何としても勝ちたいという執念だけは伝わってきた。おそらく正代にまともに組まれたくなかったのだと思う。正代は足腰が柔らかいので組み合うと逆転される可能性もある。批判覚悟で勝負に徹した相撲内容だった。しかし勝ちは勝ちである。これで千秋楽は9年ぶりとなる全勝対決となった。
続く
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