2024年1月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 照ノ富士ー霧島戦
これで優勝決定巴戦の可能性がなくなり、霧島の優勝が消滅した。普通に考えればモチベーションが下がるところである。しかし霧島は照ノ富士に勝ったことがない。また4場所ぶりの対戦であり、その間に力を付けてきており、横綱に勝つ絶好のチャンスである。そして勝てば12勝目となり、場所後の横綱昇進は厳しいにしても、来場所に綱取りがつながる可能性がある。横綱は勿論だが、霧島にとっても負けられない一番となった。
しかし相撲は横綱の圧勝に終わった。立ち合いからすぐに霧島の右を手繰るとすぐに右を差し、腕を返すと霧島の体が浮いた。同時に左上手も取っており、そのまま吹っ飛ばした。力の違い、そして番付の違いを見せつけた。
ただよく見るとこれは照ノ富士の注文相撲だった。NHKの解説者が語っていたが、照ノ富士が霧島の右を手繰ると同時に横綱の右肩が霧島のあごに命中していた。おそらくだが霧島が頭から当たることを想定し、意図的にかち上げを入れたものと思われる。また霧島の体が浮いたのはかち上げをまともに受けたので一瞬意識が飛んだことが原因と見て良さそうだ。横綱としては霧島が力を付けているのは分かっており、警戒して奥の手を出したというところである。
一方の霧島は完敗だったことは事実である。しかし私が観た限りでは横綱に警戒されるくらい力を付けており、悲観することは何もない。引き続き稽古に励み、横綱との差を縮めていくだけである。そして次こそは対横綱戦初勝利といきたい。また綱取りに関しては11勝止まりということで一からやり直しとなった。しかし来場所優勝し、5月場所で綱取りに挑戦すればいいだけのことである。既に優勝できるだけの地力は備えており、気持ちを切り替えて3月場所に臨みたい。
続く
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