2026年9月場所個別評価 嵐富士
今場所は西十両5枚目だったが10勝5敗という成績だった。前半戦は4勝4敗で折り返した。そして後半戦は10日目は初めての幕内の土俵に上がり、朝翠龍を押し倒しで破るとともに初めての懸賞を手に入れた。その後は連勝し、千秋楽は丹治を寄り切って10勝として来場所の新入幕が濃厚となった。
内容に関しては押し相撲を取りつつも間隔を取って機動力を生かす相撲も見られた。先場所は新十両で11勝を挙げたが123キロの小兵であり、大幅に番付を上げてどうなるか注目していた。本人は「当たる相手も強くなって、なかなか先場所みたいな相撲が取れていない」と語っていた。その言葉通り、押して相手を一気に運ぶ相撲は少なかった印象がある。しかし対応力の高さで白星を伸ばした。
12日目の玉正鳳戦は押し込んだ後機を見て二本差すと一気に寄り切った。玉正鳳の頭には全くなく、懐に入るタイミングも絶妙だった。そして千秋楽の丹治戦は押し合いから左をのぞかせると右を差し、丹治に左上手を取られたものの左下手を取って上体を起こし、そのまま寄り切った。懐に入る上手さだけでなく、前に出る圧力も持っている。所属する伊勢ヶ浜部屋には関取が多数おり、鍛えられている感じがする。基本的には距離を取るタイプだが、密着する相撲も取れ、今後も対戦相手に嫌がられる存在となりそうだ。
11月場所は新入幕となり、東前頭16枚目となった。また福岡県宇美町出身であり、ご当所場所となる。同席した師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱照ノ富士)は会見で、小さな体でも正攻法の相撲を取り続けるよう指導してきたと説明した。そして「嵐を巻き起こしてくれれば良いなと思います」と語った。幕下では少し苦労した印象もあるが、苦労したことが十両2場所通過での入幕につながったと言える。相撲を取るのは本人だが、ここまでは師匠が上手く育てていると思う。2場所連続二桁勝利の勢いをそのままに、勝ち越しを期待したい。そして地元ファンを沸かせるような相撲、つまり同部屋の義ノ富士のような気迫を前面に押し出す相撲を取って欲しい。
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