なぜ大関は不振だったのか? その2
・貴景勝
去年の7月場所で首を痛めてからは苦しい土俵が続いている。今年に入ってからは1月場所は途中休場。そして3,5月場所はいずれも8勝であり、大関としての役割を果たしていない。相撲内容も首を痛めた影響だと思われるが、立ち合いからコンスタントにぶちかましができなくなった。それが今の結果となって表れている。今場所2日目の霧馬山戦は珍しく寄り切りで勝っており、取組後は突き押しだけではやっていけないところもあるとコメントしている。今の相撲でも大関の座は何とか保てそうな気はするが、二桁勝利を挙げるなど大関としての役割までは期待できそうにない。そして相撲内容も下り坂であると言われても仕方がない。
・若手力士の成長
そしてもう一つの理由が若手力士の成長である。大関の調子が良くないことだけが原因ではない。特に若隆景、豊昇龍、霧馬山、琴ノ若が急成長している。一方大関は正代と貴景勝の力が落ちてきており、その差が詰まっている。また今挙げた4力士を除いても役力士や、今場所は休場した逸ノ城、横綱を破った玉鷲、そして同じく横綱を倒し、優勝争いをした隆の勝などもおり、団子状態と言っていい状況である。その中から今後誰が抜け出してくるかが相撲を観るポイントだと私は思っている。
・今後に向けて
御嶽海は大関に上がったばかりであり、頑張ってもらわなければ困る存在である。一方正代と貴景勝は大関の座を守れるかが焦点となりそうだ。今のままでは大関の役割を果たすのは無理である。ただ以前でいえば豪栄道や琴奨菊など好成績は挙げられなくても大関の地位を長く守ってきたという力士はたくさんいる。技量よりもメンタルが問われる部分である。あっさりと大関の地位を手放すのか?。それとも石にかじりついてでも大関の地位を守るのか?。注目していきたい。あとは若手力士がどれだけ成長するかが二人の運命を左右すると言っても良さそうだ。ということで御嶽海を除けば今後も大関としての役割は期待できない。期待できるとすれば大関候補の若手有望株である。しかし候補はたくさんおり、その中で誰が抜け出してくるか楽しみにしたい。
終わり
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