2022年1月場所個別評価 隆の勝

 今場所は7勝8敗で負け越した。前半戦は4勝4敗で折り返した。そして後半戦は連勝するも11日目からは連敗し、14日目は琴ノ若に上手投げで敗れ、負け越しが決まった。しかし千秋楽は宝富士に勝って7勝目を挙げた。これで三役の座はどうやら守れそうである。

 内容に関しては今場所は押し出しで3番、寄り切りで1番勝っているが、前に出ても押し切れない相撲が多かった印象がある。特に気になったのが初日の逸ノ城戦である。逸ノ城の右差しを左おっつけで殺し、一気に前に出たが右に回り込まれながら右を差された。そして左上手を取られるとそのまま寄り切られた。はっきり言えば逸ノ城に右を差された時点でほぼ負けたようなものである。それでも解説の舞の海さんが言っていたように左から抱えるだけであり、もっと腕を下げておっつけるなどの策もあったと思う。その意味で相撲が少し淡白に見えた。

 もう一つ目についたのが相手に注文相撲を取られていたということである。8日目は宇良に足取りで敗れた。11日目は豊昇龍に左から張られ、右上手を取られての出し投げで黒星。13日目は照ノ富士に右手を手繰られて寄り切られた。特に宇良の足取りは有名であり、照ノ富士には過去にも同じような形で負けている。自分の相撲ばかり考え、相手の相撲の研究が足りないのではないかと思ってしまう。また相手に舐められて相撲を取られている感じもする。今後上を目指すのであれば稽古だけでなく、相手を研究したり、白星への執着心を持つなど意識の向上を求めたい。またもっと前に出て勝つ相撲が増えない限り上を目指すのは厳しい。能力は持っているだけにもう一枚壁を破って欲しいところだ。

 来場所はおそらく小結ということになると思うがまずは勝ち越して三役の座をキープしたい。また同学年のライバルの阿炎が番付を上げ、豊昇龍、琴ノ若といった若手力士も上がってくる。立場的に上の番付だけを見ている場合ではない。若手力士の台頭を許さないという姿勢が自身のためにも求められる。御嶽海が大関に昇進したものの、残りの2大関がカド番であり、それなりの内容と結果を残せば上に上がれる可能性はある。来場所に限らず、隆の勝にとっては上を目指すという意味では非常に大事な一年になると思う。上に上がるのは今年しかないというくらいの気持ちで頑張って欲しい。