2020年7月場所個別評価&9月場所に向けて 琴奨菊

2020年11月8日

東前頭14枚目 琴奨菊 8勝7敗 

 7月場所は8勝7敗で勝ち越した。7場所ぶりの勝ち越しである。初日から得意のがぶり寄りの速攻相撲が光った。立ち合いの出足が鋭いので当然白星が重なる。前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦も白星を伸ばし、11日目に勝ち越しを決めた。しかし12日目からは4連敗し、白星を伸ばすことはできなかった。

 内容に関してはやはり立ち合いの姿勢の変化が大きい。腰の位置を高くし、前傾姿勢で相手にぶつかっていた。対戦相手もいつもとは立ち合いの圧力が違ったのだと思う。特に7日目の千代大龍は何もできずに寄り切りで敗れ、取組後は戸惑いの表情を見せていた。7月場所に関しては探求心の成果である。おそらく立ち合いだけでなく、相撲に関してあらゆることを研究しているのだと思う。こういった探求心は部屋の他の力士の良い手本になっているのは容易に想像がつく。改めて基礎運動をみっちりとこなしているだけではなく、いろいろと研究しているのを思い知らされた。これならもうしばらくは現役を続けられそうだ。

 9月場所も勝ち越しを期待したい。気が付けば幕内最年長の36歳だがまだまだ大丈夫だ。7月場所9日目の玉鷲戦は真っ向勝負を挑み、突き押しに応戦。最後は得意の左四つに組み止めて寄り切った。短い相撲ではあったが内容は激しかった。衰えていればこんな相撲はまず取れない。気持ちの衰えも見られない。あとは同部屋の関取、特に若手期待の琴ノ若と琴勝峰のよい手本として少しでも長く頑張って欲しい。大変だとは思うが若手有望株の2人をぶつかり稽古で鍛えるのが最後の大仕事である。本場所の土俵以外の部分にも期待したい。