2020年7月場所個別評価&9月場所に向けて 琴恵光

2020年11月8日

西16枚目 琴恵光 10勝5敗 

 琴恵光は再入幕の場所だったが10勝5敗の好成績だった。初日から体の動きが良く、前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は11日目に勝ち越しを決めた。また14日目は上位力士が相次いで休場したこともあり、関脇御嶽海と対戦した。これが初めての役力士との対戦だった。相撲は右四つで攻め込むも最後は掬い投げで敗れた。負けはしたものの、今後に向けていい経験になったと思う。そして千秋楽は照強を叩き込みで破り、白星を2桁に乗せた。

 内容に関しては押し相撲はほとんどなく、右四つに組む相撲が多かった。そして左は上手を取るのではなく、おっつけながら前に出る相撲が光った。琴恵光は体重130キロの軽量力士だが相手を土俵の外に出す力強い相撲が多かった。その原因の一つに若手期待の琴ノ若と琴勝峰の存在が挙げられる。同部屋でどちらも体が大きいので激しい稽古の中で自然と力が付いているのかもしれない。素晴らしかったのは7日目の栃ノ心戦と8日目の高安戦である。どちらも元大関の実力者である。栃ノ心戦は立ち合いで右四つに組み、頭を付け、左上手を許さない形で右を突き付けるように寄り切った。高安戦は立ち合いから激しい攻防があったが高安を横に向かせ、右上手を取って寄り立てた。絶好の体勢だが高安の体が重たく、なかなか寄り切れない。最後は投げの打ち合いとなったが上手投げで破った。どちらも取組後は大きな拍手が起こっていた。

 一方で課題も出た。松鳳山と妙義龍に敗れているがどちらもスピードの速い力士である。琴恵光もスピードは持っているが同じくスピードのある力士が相手だと対応できていないという印象である。今後どう対応していくかが課題である。そして13日目の玉鷲戦は7月場所唯一何もできずに負けた。今後を考えれば玉鷲の突き押しを土俵際で残せるくらいの力は付けたい。私は琴恵光が番付を上げていく中で玉鷲戦は一つの物差しになると思っている。玉鷲は突き押しの真っ向勝負であり、小細工が効かない力士だが、何とか乗り越えたいところだ。

 9月場所は番付を上げるが自己最高位は西7枚目である。また7月場所は2桁勝っており、平幕下位では通用している。今後に向けては平幕中位で勝ち越せるかどうかがポイントである。また勝ち越せれば平幕上位も見えてくる。繰り返しになるが佐渡ヶ嶽部屋には若手期待の2人の上に元大関琴奨菊がいる。これ以上ないと言っていい稽古環境だと思うので切磋琢磨しながら番付を上げたい。