2021年3月場所を振り返って 三賞など

 三賞は大関復帰を決めた照ノ富士が3回目の殊勲賞を受賞した。敢闘賞は明生と碧山の2人。ともに千秋楽に勝てばという条件付きだったが勝って受賞を決めた。明生は初の三賞受賞である。2大関を破っての2桁勝利であり、力を付けてきている。碧山は4回目の敢闘賞受賞である。また春場所は3年連続で三賞を受賞しており、ゲンがいい場所である。千秋楽の高安戦は相手の出足を止め、素早い叩き込みで仕留めた。そして10勝を挙げた若隆景が初三賞となる技能賞を受賞した。体を寄せるスピードが速く、127キロの軽量ながら押す力も出てきた。スピードの速さに関してはタイプは違うが、大関に昇進する前の貴景勝と少し似ている。また実績ある大関候補の間に割って入ってくる可能性も十分あり、今後が非常に楽しみである。

 十両は西9枚目の白鷹山が11勝4敗という成績で初優勝を果たした。5月場所は番付を上げ、新入幕を懸けての場所となりそうだ。期待したい。また幕下は西56枚目で元小結の阿炎が優勝した。新型コロナウイルスに関するガイドラインに違反し、3場所出場停止処分が下されたが、処分明けの場所に優勝した。さすがに幕下では力が全然違う。しかし3場所休場ということで体がたるんでいる。気持ちを入れ替えた上で体力を付けながら番付を戻していってほしい。元小結というだけでなく、大関候補の1人だったので今後の動向に注目したい。