大相撲9月場所個別評価 隆の勝

2020年11月22日

 西前頭筆頭の隆の勝は自己最高位だったが10勝5敗の好成績だった。照ノ富士同様初日から上位力士との対戦が続く厳しい位置だったが前半戦は4勝4敗で乗り切った。2日目は朝乃山を寄り切りで破り、対大関戦初勝利を挙げた。その後も御嶽海、大栄翔と大関候補を相次いで破り、存在感を見せつけた。前半戦で上位力士との対戦がほぼ終了し、後半戦に注目していたが9日目から連勝して12日目に勝ち越しを決めると千秋楽は碧山を押し出しで破り、白星を2桁に乗せた。

 内容に関しては押し相撲に安定感があった。やはり左右どちらからでもおっつけができるので対戦相手としても対処しにくい。また相手の弱点を突く形でのおっつけが効果的だった。そして押す力も強いので相手がまともに引いたところを押し出す内容の相撲も多かった。前半戦に上位力士を相次いで倒すと後半戦はスタミナ切れで勝てなくなる力士も多い。しかし隆の勝は後半戦も自分の相撲を取り切っていた。これは単なる勢いではなく、実力であるのは間違いない。また7月場所に次いで2場所連続で平幕上位で勝ち越した。9月場所は両横綱が休場したがそれを差し引いても評価できる。

 敢えて注文を付けるとすれば8日目の隠岐の海戦である。二本差すも突き落とされた。隠岐の海に上手く取られたと言ってしまえばそれまでだがやはり押す形を保ちたい。そして土俵際まで押し込んでから差す形なら問題ない。今後は誘い込まれて差すこともあるかもしれないが誘いに乗らず、押し相撲に徹する必要がありそうだ。

 11月場所は新三役となるが勝ち越しを期待したい。当然マークはきつくなるがその中でどれくらい相撲が取れるかに注目したい。また自身も強くなってほしいが同部屋の貴景勝をアシストするような活躍にも期待したいところだ。