大関候補は誰だ? 2024年9月場所時点 大の里

 5月場所は新三役で12勝を挙げて初優勝を果たした。そして7月場所は9勝ということで今場所は大関獲りの場所となる。3場所トータル33勝が大関昇進の目安となるので12勝以上を挙げれば場所後に大関昇進となりそうだ。ということで大関候補の筆頭である。

 身長192センチ、体重182キロの立派な体格に加えて当たってからの鋭い踏み込みが最大の特長である。また右差しや押し相撲で強さを発揮すると同時に相手の持ち味を殺すような相撲も取れるタイプであり、大物感が漂っている。大関候補と言うよりも横綱候補であり、大関に上がったとしても通過点となる可能性が高い。

 その一方で大卒で幕下付出であり、入幕5場所目、そして入門9場所目ということでまだ大相撲に入ってからの経験が浅いのも事実である。今場所も引き続き厳しいマークが予想される。

 課題は二つ挙げられる。一つは立ち合い、そしても一つはスタミナである。立ち合いに関しては強く当たれる時もあるが、しっかり当たれている確率は半分程度である。ただ二の矢の攻めが速いので二の矢で勝っている印象が強い。よって立ち合いの出足をもっと安定させ、常に強く当たれるようになりたい。スタミナに関しては個人的には粘れずにあっさりと土俵を割る相撲が多いのが気になる。稽古場でも早く息が上がるようであり、スタミナ不足が指摘されている。ただ部屋は茨城県稲敷郡阿見町にあり、国技館から遠く、出稽古できる環境ではない。よって私としては巡業の稽古で看板力士にぶつかり稽古で胸を出してもらうなどして少しずつスタミナを強化して欲しいと思っている。

 ということで私としては9月場所後の大関昇進には期待していないし、上がって欲しくないという考えである。なぜなら大関という地位は特権階級でもあり、他の力士を指導する立場になるということでもある。ぶつかり稽古は大関に上がってからもできないことはないが、あくまで例外である。あと一場所くらいは巡業の稽古で揉まれてほしいところである。

 とはいえ能力を示しているのは確かであり、大関昇進は時間の問題である。大の里に関しては大関昇進は意識せず、横綱に上がるためには何をすべきかという視点で稽古に励んで欲しい。師匠の二所ノ関親方は元横綱稀勢の里であり、胸も出してくれるみたいなので勉強になっているはずである。

続く