朝乃山について その4
・若手力士に胸を出す
この時期だからこそ一番実行してほしいことである。確かに高砂部屋には朝乃山以外に関取はいないが、幕下には寺沢、村田、深井など有望な若手力士がおり、若手力士を引き上げるというのも部屋頭としての役割である。特にぶつかり稽古の胸を出してほしい。大関というだけでなく立派な体格なので胸を出された方は嬉しいはずである。若手力士の育成は当然ながら師匠の仕事である。しかし生身の体でぶつかってみて分かることもあると思う。胸を出すだけでは本人は物足りないかもしれないが、胸を出される側からすればこれ以上ありがたいことはない。本場所の土俵だけでなく、こういった地道な努力の積み重ねも非常に大事である。元大関琴奨菊の秀ノ山親方が胸を出して琴勝峰や琴ノ若などの若手力士を育てたように愛情をもって胸を出すことを期待したい。
・若手力士へのアドバイス
これも若手力士が朝乃山にアドバイスされたら嬉しいはずである。ただ手取り足取りアドバイスすれば良いというものではない。若手力士の相撲の取り口を見て、足りない部分や欠けている部分を一言、二言アドバイスをするだけで十分である。また現役の力士の視点でのアドバイスで構わない。先程挙げた寺沢、村田は少し伸び悩んでいる部分があるが、一つのアドバイスがきっかけで変わる可能性は十分ある。自分なりの視点でアドバイスをしてほしいところだ。
続く
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