2024年3月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 尊富士優勝 上位力士の責任

 あと一つ、個人的に少し不満だったのは尊富士の対戦相手の相撲内容である。ほとんどの力士が正面からぶつかっており、成す術なく敗れていた。尊富士は先場所は十両優勝を果たしているが、それでも2敗している。また2敗の対戦相手は狼雅と北の若だったが、いずれも尊富士の出足をかわすような内容での白星だった。昔と違って今は動画でいつでも見られる時代である。特に後半戦の対戦相手は先場所負けた相撲を見た上で対策を立てて欲しかったというのが私の考えである。

 その点では相手の出足を逃すようにして掬い投げを決めた豊昇龍は大関とはいえ素晴らしかった。しかし私としては豊昇龍のように内容ではなく、単純に白星を取りに行く力士がもう一人いても良かったと思う。尊富士の力量を試すのではなく、尊富士の強さを認め、弱者の戦いで勝つことだけを考えるということである。仮にあと一つ負け、3敗となっていたら優勝争いが分からなくなっていた。その意味で尊富士の新入幕優勝を許した上位力士の責任は重い。

終わり