2024年1月場所個別評価 朝乃山

 今場所は9勝3敗3休という成績だった。先場所は東前頭筆頭であり、途中出場で4勝に終わったので大幅に番付が下がった。元大関であり、前半戦は上位力士との対戦がないということで初日からの連勝は当然であり、力通りと言ってもいいと思う。しかし8日目の玉鷲戦で掬い投げで敗れて初黒星となった。また敗れた際につまずいたような形で転がっており、起き上がるのに少し時間がかかっていた。取組後は右足は大丈夫と語っていたが翌日に右足首が腫れ上がり、休場した。その後13日目から再出場すると豪ノ山を小手投げで破り、勝ち越しを決めた。しかし千秋楽は大栄翔に敗れ、二桁白星には届かなかった。

 内容に関しては右四つの相撲を主体に相手を圧倒していた。また4日目の北青鵬戦は連敗中であり、難敵だったが立ち合いからすぐに左前廻しを取り、一気に寄り切った。しかし一番の問題は相撲内容ではなく、8日目の玉鷲戦で怪我をして休場したことである。これで直近4場所中、3場所で休場したことになる。私的には今場所は番付が下がったので二桁勝利は勿論、優勝まで期待していた。おそらく私をはじめとするファンに限らず、協会関係者も期待していたと思う。しかしフタを開けてみればこのような結果に終わってしまった。一番悔しいのは周囲の人間ではなく、本人かもしれない。怪我が相次いでいるが、最初は調整の仕方が上手くないから怪我に見舞われているものだと思っていた。しかし万全に調整した上で場所に臨んでいるのだとしたら、今後も同じようなことが続くかもしれない。あまり考えたくはないのだが、同じく元大関の高安のような立ち位置になってきている可能性もある。厳しいことを言えば上を目指すにあたっては15日間土俵に上がることが大前提である。

 振り返れば一年出場停止と番付降下を合わせて実質二年の空白期間があった。元大関であり、筋力を戻すのは並大抵のことではない。当時から一年間の出場停止は重いと思っていた。しかし大関という地位であり、協会としても過去に野球賭博問題や八百長問題で虚偽説明されるなど苦渋を味わっている。協会が重い処分を下したのも理解できる。今こそ処分の意味を考えるべき時なのかもしれない。また怪我が続いているだけに大関復帰は考えず、目の前の一番一番に集中して欲しいというのが私の願いである。

 3月場所は西前頭筆頭となった。再度の上位総当たりの番付となるので役力士を一人でも多く倒したい。現時点では三役に復帰できていない。また大関が強くなっており、力の差が広がってきているという現実もある。少なくとも簡単に大関に復帰できる状況ではない。今は周囲を見渡すよりも自分のことに集中した方が良さそうだ。まずは15日間皆勤し、その中で結果を出すことを期待したい。