今年の大関候補2024 琴ノ若

・去年1年に関して

 力を付けた1年と言っていいと思う。1月場所で新小結となったが3場所連続で勝ち越した。そして7月場所は11勝を挙げる活躍を見せ、9月場所は関脇に昇進した。新関脇の場所で勝ち越すと11月場所は優勝争いに絡み、11勝4敗で5回目の敢闘賞を受賞した。ということで去年は6場所全てで勝ち越しており、成績だけを見ても地力強化は明らかである。

 また本場所の土俵だけでなく、稽古場でも存在感を増しているようだ。二所一門の連合稽古では貴景勝や高安などがいる中で中心的な存在になってきている。

 相撲を観ても場所ごとに立ち合いの圧力が増しており、それに伴って相撲に安定感が出てきた。まだ底は見せておらず、年齢は26歳と若い。文句なしで大関候補の筆頭である。

・課題

 立ち合いから二本差す相撲を中心に対戦相手によって柔軟に相撲を取るタイプである。まだ成長しており、今のままの相撲でも大関に上がれると思う。しかし相手に動きを止められた時の対応が課題である。身長189センチ、体重172キロと体格は申し分ないので不利な体勢になっても少しずつ有利な体勢に持って行くような相撲をそろそろ覚えたいところだ。簡単に言えば照ノ富士のような相撲である。また大関昇進に向けてというよりも、もう一つ上を見据えての課題でもある。能力的にも大関は通過点であり、大関で満足してもらっては困る力士である。

・今後に向けて

 1月場所は大関獲りの場所となったが、直近二場所は9勝、11勝であり、3場所トータル33勝が目安となると13勝が求められる。ただ上位力士が少ないことを踏まえると12勝で当確ランプが点くと私は思っている。また大関獲りとはいってもまずは二桁勝利である。二桁勝てば3月場所の大関獲りのハードルが下がるからである。1月場所後に大関に上がれるかは分からないが、近いうちに大関に上がれる可能性は高い。勿論数字だけでなく、相撲内容が問われるのは言うまでもない。

 そして1月場所は14日目終了時点で12勝2敗であり、照ノ富士と並んで優勝争いのトップに立っている。14日目に霧島に勝ったことが何より大きい。明日は平幕の翔猿との取組が組まれたが、現時点でも大関がかなり近づいてきたと言っていいと思う。できれば明日も勝って当確といきたいところだ。仮に大関に上がれなかったとしても12勝を挙げたことは大きく、3月場所後に上がれる可能性はかなり高い。一番先に大関に上がるのは琴ノ若ということだけは間違いなさそうだ。