今年の大関候補2023 最後に

 最後に1月場所新小結で9勝を挙げた若元春についても少し触れたい。若隆景の兄であり、弟に後れを取っていたが追い付いてきた格好である。ここ2~3年は必死に稽古に取り組んでいるようであり、その成果が表れてきたようだ。若隆景より体が一回り大きく、身体能力は弟より上だと思っていたので新三役での勝ち越しは驚きではない。その一方でまだ周りの力士にマークされているといった印象はなく、自由に相撲を取らせてもらっている感じがする。3月場所は新関脇となり、兄弟同時関脇となりそうだがそろそろ対策を練られそうである。よって大関に向けては来場所からその真価が問われることになりそうだ。勿論二桁勝利を挙げることも十分ありうる。また年齢は29歳だが上位力士との対戦が少なく、相撲に勢いがあるのも魅力である。できれば勢いのあるうちに二桁勝利を挙げ、大関昇進への流れを作っていくのが理想である。また兄に先を越されるようなことがあれば若隆景の闘争心に火が付くかもしれない。大関候補と言う部分以外でも非常に楽しみな存在であることは間違いない。

 私の予想としては豊昇龍は22歳、琴ノ若は25歳と若く、まだ底を見せていないので大関昇進は別にして強くなると思う。朝乃山は現在十両だが、実績だけでなく相撲には安定感があり、番付を上げても以前の照ノ富士のように大関復帰に関しては苦労しないと見ている。

 他の大関候補は20代後半から30代であり、今年が非常に重要である。できるだけ早い時期にまとまった星を挙げ、大関昇進といきたい。現時点では誰が一番早く大関に上がるかは分からず、混戦から誰が早く抜け出すのか楽しみにして待ちたい。

終わり