元関脇・寺尾の死去に関して 井筒三兄弟と大波三兄弟の比較
そして井筒三兄弟として見ると個人的には現在活躍している大波三兄弟と比較してしまう。大波三兄弟は父は元幕下若信夫であり、その長男が元幕下で三段目の若隆元、次男は元関脇で平幕の若元春、三男は元関脇で現在は幕下に番付を下げている若隆景である。そして祖父は元小結若葉山であり、相撲一家というのも井筒三兄弟と同じである。
他にも共通点が多い。まずは長男が出世できていない一方、次男、三男は関脇まで上がっている。そして順序は逆だが大波三兄弟は若隆景が三役として活躍している中で若元春が番付を上げ、兄弟同時関脇となっている。また相撲の取り口は若隆景は右四つとおっつけ中心の動き回る相撲に対して若元春は上体の強さを活かした左四つに組み止める相撲を得意としており、取り口が全く違うのも逆鉾と寺尾の相撲の取り口と同じである。そして考え方の違いからしょっちゅうけんかしていたというのも一緒である。大波三兄弟でいえば若隆景は努力型で相撲一筋という感じだが、若元春は天才肌で基本的には何でもでき、性格は大らかである。
そして相撲を取っていた時代は違うが、体が大きくないというのも似ている。若元春は身長は187センチと高いが体重は145キロであり、幕内平均を下回っている。大波三兄弟は持ち味はそれぞれ違うものの、土俵際がしぶといというのは一緒である。一方井筒三兄弟は寺尾を含めて二本差すのが上手かった。またどちらも相撲一家ということで、ただ勝つだけではなく、技で魅了できるタイプである。人気が出るのは当然である。
番付的には今のところは最高位は関脇であり、大関に上がれていないというのも同じである。ただ井筒三兄弟の二人とは違って若隆景と若元春は三役で二桁勝利を挙げており、大関に近づいたのは確かである。今後巻き返して大関に上がれる可能性もあるので注目したい。
続く
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