2026年9月場所個別評価 若元春

 今場所は東前頭11枚目だったが10勝5敗の好成績だった。前半戦は4勝4敗で折り返した。そして後半戦は連勝し、12日目は一山本を押し出して4場所ぶりの勝ち越しを決めた。その後14日目は尊富士を寄り切り10勝目を挙げた。

 平幕二桁の地位は新入幕の2022年1月場所以来4年半ぶりとなり、違和感を感じた。また負け越しが続いていた上に相撲内容も良くなく、ズルズルと番付を下げないか少しだけ心配していた。しかし勝ち越した12日目も「勝ち越しとかは関係ない。明日の一番に集中したい」とコメントしており、自分の相撲を取ることだけを考えていたみたいだ。

 内容に関しては得意の左四つに組み止める相撲で白星を挙げていた。4日目の獅司戦は低く構え、徹底して四つに組むのを嫌う獅司を突き立てた。そしていなした後左四つに組み、寄って残されたものの右上手出し投げから頭を付け、左下手を切って寄り倒した。焦って前に出ず、体勢を立て直して頭を付けたことが勝因である。本人も「きっちり形を作って出ていきました」と語っており、落ち着いて自分の相撲を取り切った。そして14日目の尊富士戦は尊富士に左を差されて寄られるも右上手を取ってこらえた。その後尊富士の右巻き替えに乗じて寄り切った。こういった相撲が取れれば上位力士が相手でもまだまだ取れるはずである。

 そして場所後の大相撲力士選士権で初優勝を果たした。平幕力士の優勝は2018年の阿武咲以来となった。2月の大相撲トーナメント同様、番付上位の力士が優勝する大会であり、本場所ではないものの名誉なことである。この勢いを次の場所に生かしたい。

 11月場所は東前頭7枚目となった。まだ上位と当たる位置ではないので再度の二桁勝利を期待したい。同学年の大栄翔と朝乃山は幕内後半の土俵で奮闘しており、その輪の中に入りたい。