2026年9月場所個別評価 朝乃山
今場所は東前頭6枚目だったが10勝5敗の好成績だった。前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は10日目から連勝した。13日目は熱海富士を寄り切り、10勝目を挙げるとともに大の里を星一つ差で追走した。千秋楽は勝てば敢闘賞受賞だったが義ノ富士に敗れ、受賞を逃した。
内容に関しては右四つに組み止める相撲が取れていた。二桁勝てたのは初日の相撲が大きかったと思っている。対戦相手は一山本であり、2年前の7月場所で左膝の大怪我を負った相手である。相撲は右カチ上げから押し上げると引きに乗じて右を差し、あおるようにして寄り切った。取組後は「怪我をして以来の対戦で恐怖心もあった。この日を待っていた。意識するものがありました」と語った。そして因縁の相手に勝ったことでその後は吹っ切れて自分の相撲が取れているように見えた。
熱海富士戦は当たり勝って左前廻しを取ると左から起こされそうになったものの懸命にこらえ、腰を十分に落として寄り切った。内容も力強く、取組後は館内から大きな歓声が上がっていた。
終盤の連敗に関しては藤ノ川、義ノ富士のスピードについて行けなかったという印象であり、現時点での実力では仕方がないとも言える。それよりも左膝には分厚いテーピングが施されており、怪我なく取り終えたことが何よりである。
来場所は東前頭筆頭となり、勝ち越せば三役復帰となる。今場所の相撲が取れれば三役には戻れそうだ。ただ問題は左膝の状態である。負けるにしても前に出て負けたい。今場所はほとんど見られなかったが、下がって土俵際で踏ん張る流れが一番良くない。その意味で結果だけでなく、内容も大事である。勝ち越すことが一番だが、私としては結果以前に千秋楽まで無事に相撲を取り終えて欲しいと思っている。
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