2026年9月場所個別評価 豊昇龍

 今場所は全休した。休場は3場所連続となり、横綱在位10場所で5度目の休場となった。先場所後の7月末に右膝の内側側副靭帯の修復手術を受けた。夏巡業は休場し、場所前の横綱審議委員会の稽古総見でも、熱海富士にぶつかり稽古で胸を出すのみだった。一番も稽古できず、休場は妥当と言える。

 また師匠の立浪親方(元関脇旭豊)は、「(責任感から)薬を飲んでも夜眠れないという不眠症の症状があり、食事もノドを通らず、8月の定期健康診断で148キロあった体重が10キロほど減った」と明かした。

 そして場所後の10月5日の全日本力士選手権で土俵入りを披露した。ただ体がしぼんでいる上に張りがなく、来場所に向けては急ピッチで体調を戻す必要性を感じる。そして10月10日から巡業に合流した。立浪親方は「(来場所出場の最終判断は)九州に入ってから」と前置きした上で「(稽古を)巡業でガッチリやらないと間に合わない。本人には、ちょっと甘いところがあるから。巡業の前に厳しく言っておく」と話した。

 体調次第ではあるものの、個人的には来場所は出場して二桁を目指して欲しいと思っている。逆に休場して来年1月場所での再起を目指すとなると、東京場所ということで結果を残せなければ引退という流れにもなりかねない。まだ横審から勧告は出ておらず、勧告が出る前に土俵に上がった方がいいというのが私の考えである。それでも場所前にそれなりの体調で臨めるのが前提ではあるのだが…。いずれにしても難しい判断を迫られそうだ。

 ただこの部分は横審や協会幹部にも当てはまる。任命責任だけでなく、仮に引退した場合は大の里の一人横綱となり、負担が大きくなるのは容易に想像がつく。また30歳になってから横綱になった訳ではないので、多少は温かい目で見て欲しいと思っている。勿論本人が結果で跳ね返すことが大事であり、乗り越えられるのか?。動向を含めて注目したい。