大相撲9月場所個別評価 阿武咲

2020年11月22日

 西前頭9枚目だったが10勝5敗という成績だった。7月場所は初日から13連敗したが9月場所は逆に初日から5連勝ということで混戦模様を象徴しているような存在となった。6日目からは連敗するも8日目からは再び連勝し、10日目に勝ち越しを決めた。11日目は翔猿との2敗同士の対戦となったが叩き込みで敗れて3敗となり、優勝争いから一歩後退した。その後は連勝するも14日目は隆の勝に叩き込みで敗れて4敗となり、優勝争いから脱落した。千秋楽も勝てず、10勝5敗で場所を終えた。

 7月場所は連敗が止まらず、屈辱にまみれたが9月場所はその悔しさを晴らしたという印象である。またモチベーションもいつも以上に高かった感じがする。技術的には立ち合いを左足を右に比べてわずかに前に出す以前の構えに戻した。本人が言うには相撲も含めて原点回帰ということみたいだ。上位陣の多彩な攻めへの対応を意識するあまり消極的になっていたようだ。そうだとすれば7月場所の13連敗は決して無駄ではなかったと思う。いろいろ駆け引きはあるとは思うが結局は前に出なければ相撲は勝てない。そのことが分かっただけでも阿武咲にとっては収穫だったと思う。

 11月場所は平幕上位に番付を戻すがそろそろ平幕上位に定着したいところだ。同学年の貴景勝より出世は早く、新入幕から3場所連続2桁勝利で小結に昇進した。しかし2018年1月場所中に右膝の十字靭帯を損傷する大怪我をしてからは勢いが止まり、平幕の上位と下位を行ったり来たりで今に至っている。おそらく右膝は完治していないと思うのでひざにふたんをかけないためにも前に出る相撲を取るしかない。相撲は引いて勝てることもあるので単純ではないがそれでも前に出る気持ちを持っているだけで全然違うと思う。当然ながら11月場所も勝ち越しを期待したい。