2023年1月場所を振り返って 優勝争い その1

 2023年1月場所は大関貴景勝が12勝3敗という成績で13場所ぶり3度目の優勝を果たした。また平幕の4場所連続優勝を阻止した。それでは優勝争いを振り返っていきたい。

 1月場所は横綱照ノ富士が休場。そして大関は正代が関脇に陥落したので貴景勝一人という異例の状況で始まった。

 8日目終了時点では全勝はおらず、1敗で貴景勝と平幕の琴勝峰の二人が並んでトップ。そして2敗で関脇豊昇龍など6人が追いかける展開となった。単独トップではないものの、優勝争いに加わっている役力士は貴景勝の他に豊昇龍しかおらず、貴景勝にとってはかなり有利な展開となった。

 そして9日目は貴景勝が1敗を守った一方、琴勝峰は平戸海に敗れて2敗となり、優勝争いから一歩後退した。また2敗力士の6人のうち、2敗を守ったのは阿武咲一人であり、貴景勝の独走ムードが更に強くなった。10日目は1敗と2敗の3人が揃って勝ったので展開は変わらず。そして動いたのは11日目である。

 貴景勝は琴ノ若戦だった。立ち合いから頭で当たるも琴ノ若に押されて後退。しかし貴景勝も負けずに押し返し、土俵中央に押し戻した。それでもその後が攻められない。突き押しを下からあてがわれると徐々に後退。最後は押し倒され、土俵下に転落した。これで2敗となり、優勝争いの行方が分からなくなってきた。また阿武咲と琴勝峰は2敗同士の直接対決となったが掬い投げで阿武咲が2敗を守った。11日目終了時点で2敗は貴景勝と阿武咲の二人。そして3敗が玉鷲と琴勝峰の二人となった。

続く