2026年3月場所個別評価 藤凌駕

 今場所は東前頭17枚目であり、新入幕だったが7勝8敗で負け越した。前半戦は5勝3敗で折り返した。しかし後半戦は星が挙がらず、14日目は狼雅に敗れて入門以来初の負け越しとなった。しかし千秋楽は勝って7勝目を挙げ、幕内残留に望みをつないだ。

 それでは藤凌駕を紹介したい。藤凌駕は愛知県春日井市出身で藤島部屋所属であり、年齢は23歳である。また身長180センチ、体重183キロであり、押しを得意としている。拓殖大学4年次には全国大学選抜相撲宇佐大会で優勝して個人初タイトルを獲得すると、最終的に学生四冠を達成した。そして幕下付け出しが承認され、2025年3月場所で同部屋の藤天晴とともに初土俵を踏んだ。

 内容に関しては馬力のある押し相撲で白星を挙げていた。2日目は十両の佐田の海戦だったが右ノド輪で突き起こすと一方的に押し出し、幕内初白星を挙げた。7日目の御嶽海戦は相手の右差し狙いを左おっつけで封じると右はハズからおっつけて押し出し、自分の相撲を取り切った。取組後は「(御嶽海は)大関経験者で、優勝もしていらっしゃって、学生時代からスーパースターでした。そんな方と対戦できてよかった」と語った。地元が近いので憧れの存在と言う気持ちなのかもしれない。そして千秋楽の時疾風戦は押し込んだものの土俵際で時疾風に右上手を取られると体を入れ替えられ、寄り切られそうになった。しかし左から掬って泳がせて送り出した。このように四つに組まれてもある程度は対処できる。そして巨体の割には動きが速い。

 一方課題が出たのは場所後半の相撲である。新入幕の力士は前半戦は番付が近い力士との対戦となり、後半戦は番付が上の力士との対戦となる。おそらく番付の違いだと思うが後半は相手が強くなったので押し切れず、組み止められて負けるといった内容が目立った。初めての3連敗で眠れないこともあったようである。ただこれも経験である。本人も悩んだかもしれないが、対戦相手も勝つのに苦労しているように見えた。引き続き押し相撲を磨いていくとともに、強い力士に胸を出してもらうなどして力を付けたい。

 来場所は十両に好成績の力士が少ないこともあり、幕内に残留できそうである。能力を考えれば勝ち越しではなく、二桁勝利を期待したい。大学相撲出身ではあるもののまだ原石といった感じであり、実力発揮はこれからである。能力は通用しており、経験を重ねながら番付を上げていきたい。