2026年3月場所個別評価 朝紅龍
今場所は東前頭12枚目だったが9勝6敗だった。序盤は4勝1敗と好スタートを切り、前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦も白星を伸ばすと12日目は宇良との大阪出身同士の初対決を制し、勝ち越しを決めた。また千秋楽の取組後は母親が場所前に亡くなったことを号泣しながら明かした。
内容に関しては押し相撲と四つ相撲、そして投げ技で白星を挙げていた。2日目の獅司戦は左から引っ張り込まれそうになったが我慢すると機を見て左へいなして泳がせ、送り出した。いなすタイミングが実に絶妙だった。4日目の欧勝海戦は当たって左を差して下手を取ると右からおっつけ、両廻しとも与えなかった。そして機を見ての下手投げで鮮やかに転がした。館内からは大きな拍手が上がっていた。小兵の割には前に出る相撲が多いが、投げ技など細かな技量も兼ね備えている。そして12日目の宇良戦は頭で当たって押し上げると休まず前に出て押し出した。宇良が想像していた以上に圧力が強かったのだと思う。あっさりと右足が土俵の外に出た。取組後は「圧倒的に向こう(の声援)が多かった。敵ですよ(笑)」と語っていたようだ。会心の相撲で同郷対決を制した。
また亡くなった母の石崎直美さんは2023年9月にガンのステージ4で余命半年~1年であることが判明した。そして今年の1月場所も観戦しており、弟の十両・朝翠龍との二人の活躍を「生きがいや」と話していたようだ。これから寂しくなるとは思うが、母の教えを胸にしまってもっと強くなって欲しい。バラエティー番組でも話題となっていたお母さんであり、父親を差し置いて小さい頃から筋トレを課していたらしい。スパルタ指導で本人は大変だったみたいだが、今は感謝していると語っていた。それにしても朝翠龍を含めていい感じで成長してきている。少なからずお母さんの厳しい指導が今に生かされているように見える。そしてこれからも暖かく二人のことを見守ってくれるに違いない。
さて来場所は自己最高位を更新し、初めての幕内一桁の番付となりそうだ。対戦相手が強くなるので試金石の場所と言えそうだ。まずは自分の相撲に徹し、通用するか確認したい。また同部屋の元大関朝乃山は番付を戻しており、朝白龍はこれから番付を上げていきそうだ。よって相乗効果が期待でき、部屋の勢いの乗っていきたい。
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