負けん気の塊! 若碇改め藤ノ川 師匠の存在 現役時代の印象と引退後

 現役時代の印象としては体が柔らかく、頭を付けての相撲は悪くなかった。ただ一番に対する執着心や執念といったものはあまり感じられなかった。良くも悪くも淡々と相撲を取っていたイメージである。幕内在位49場所だが、二桁勝利もなければ三賞もないというのはなかなか珍しい。一言でいえば地味な力士であり、それ以上は語りようのないタイプである。その上各段優勝も幕下優勝が1回のみであり、目立った実績がないというのが北勝鬨らしさだったのかもしれない。

 また四股名に「北勝」とつくことから現在でも八角部屋出身と間違われることが多いみたいだ。四股名の由来は名馬の「キタノカチドキ」から来ている。同馬のように強くなりたかったからだという。

 2011年9月場所千秋楽の9月25日に師匠の定年に伴い伊勢ノ海へ名跡を変更し、部屋を継承した。そして部屋継承後はなかなか弟子が育たなかったが、2024年11月場所に若碇が新十両昇進を決め、待望の子飼いの関取となった。その若碇は2025年7月場所で藤ノ川と改名して幕内に昇進した。

 そして2022年から日本相撲協会の理事に就任している。それにより自身は協会の仕事が中心となり、藤ノ川の父の甲山親方が部屋の現場監督となっているようである。

続く