2025年3月場所を振り返って 優勝争い 13日目 大の里ー王鵬戦

 そして結びで2敗の大の里が土俵に上がった。対戦相手は王鵬である。過去の対戦成績は大の里が3勝1敗でリードしているものの、先場所は王鵬が勝っている。相撲は大の里の右差し狙いに対して王鵬は徹底して突き放し、大の里の右差しを許さない。すると大の里はたまらず引いて王鵬を呼び込んだ。王鵬はここがチャンスと言わんばかりに突き立て、最後は押し出した。大の里は3敗目となり、優勝争いに向けては手痛い黒星を喫した。

 勝った王鵬は既に負け越しているとはいえ勝った相撲内容は良く、ここまでは安定感に欠けるといった印象である。これまでは大の里の出足に全く歯が立たなかったが、ここに来て出足を止められるようになってきた。地力は付いてきており、改めて自信になったものとと思われる。

 一方負けた大の里は我慢できずに引いてしまったことが全てだった。王鵬も大の里が引くことは分かっており、そのことを頭に入れて相撲を取って欲しかった。また前日の尊富士戦もまともに引いており、こういった内容は場所を通しての流れを悪くしてしまう。私としてはぶつかり稽古をして我慢することを覚えて欲しいという考えである。プラスに考えれば本場所で負けた相撲はこれ以上ない反省材料となるはずである。年齢は24歳と若く、この黒星を次に生かしたい。

 13日目終了時点で2敗は高安、3敗は大の里、そして4敗は大栄翔など6人となった。昨日の時点で2敗、3敗の力士の内、高安を除く4人は全員負けたということで単独トップに立った高安にはこれ以上ない展開となった。そして14日目に高安が勝ち、大の里が負ければ千秋楽を待たずして高安優勝という可能性も出てきた。少なくとも14日目に高安が勝てば初優勝に大きく近づくことだけは確かである。

続く