2025年1月場所個別評価 生田目
今場所は東十両14枚目であり、十両3場所目となったが11勝4敗の好成績だった。4日目までは1勝3敗と黒星が先行した。しかし5日目はここまで全勝の若碇を一気に押し出して2勝目を挙げると勢いに乗り、白星を並べた。そして終盤になっても勢いは止まらず、13日目は優勝争いでトップの獅司を押し倒しで破った。翌14日目は優勝争いでトップに並ぶ竜電を倒し、優勝争いを面白くした。
内容に関しては4日目までは力なく土俵を割る相撲もあり、その後の連勝は全く想像できなかった。ただ先場所は11日目に7勝目を挙げながら4連敗で負け越しており、星勘定をしたことを反省したようだ。苦い経験を生かし、今場所は一日一番に集中した。その結果と言える。得意の突き押し相撲に徹した。
相撲に関してはやはり終盤の内容が光った。獅司戦は突き押しも素晴らしかったが、叩きと右からのいなしを交え、獅司を翻弄した。竜電戦は押し込めずにやや苦しい相撲となったが右からのいなしで形勢が逆転し、そのまま押し倒した。そして負けはしたものの千秋楽の安青錦戦も激しい攻防のある内容だった。最後は突き起こされて押し出されたものの、好内容に館内からは大きな拍手が起こっていた。
また稽古以外でも押し相撲の幕内力士の動画を見て研究しているようである。そして一つ思ったのが突き落としに関してである。あくまで私の想像だが、元大関・貴景勝の現・湊川親方の現役時代の動画を見て取り入れたような気がする。今場所は突き落としで2番勝っており、先述の獅司戦と竜電戦も突き落としで相手のバランスを崩しての白星だった。貴景勝同様、相手の足を見ており、決まりそうなタイミングで突き落としを見せていた。技を磨く必要があるものの、自分なりのパターンが身に付けば今後大きな武器となりそうだ。
来場所は自己最高位を大幅に更新し、東十両5枚目となった。ただ新入幕もうかがえる位置だが上は意識せず、今場所同様一日一番に集中したい。相撲を観た限りでは精神的にムラがあるようにも見え、勝っても負けても自分の相撲を貫くことが求められる。
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