2024年7月場所個別評価 武将山
今場所は再入幕であり、西前頭16枚目だったが8勝7敗で勝ち越した。前半戦は5勝3敗と白星先行で折り返した。しかし問題はここからである。過去3度の入幕はいずれも二桁黒星であり、一場所で十両に逆戻りしている。また3度目の入幕となった今年1月場所は7日目までは4勝3敗と白星が先行していた。しかし翌日からはまさかの8連敗で場所を終えている。番付的にも後半戦は番付上位の力士との対戦となり、その真価が問われた。しかし14日目に佐田の海を押し出しで破り、幕内初勝ち越しを決めた。
内容に関しては密着しての押し相撲には安定感があった。7日目の北勝富士戦は埼玉栄高校の先輩との初対戦となったが当たり勝つと押し込み、引きに乗じて押し出す完勝だった。北勝富士は元小結の実績があり、地力強化がうかがえる内容だった。そして勝ち越しを決めた佐田の海戦は当たって右のど輪で相手の上体を起こすと一気に押し出した。自分の相撲に徹しており、素晴らしい内容だった。身長171センチ、体重178キロであり、重さがある一方背は低く、手足も短い。よって手繰られたりいなされたりするとバランスを崩しがちである。しかし体型的にもそれを気にしていては相撲が取れないので、本人が言うように気持ちを切り替え、一番一番の相撲に集中するだけである。今後も相手の事は考えず、押し相撲に磨きをかけていきたい。
9月場所は自己最高位を更新し、東前頭12枚目となった。再度の勝ち越しと幕内定着が望まれる。部屋には今場所再十両で勝ち越した若手の藤青雲がおり、お互いにいい稽古相手となっていそうである。藤青雲の力を引き上げるとともに番付を上げ、上位力士と対戦する日が来ることを期待したい。
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