2024年3月場所を振り返って 優勝争い 10日目 尊富士ー大の里戦
10日目は尊富士と大の里の直接対決が組まれた。また10日目ではあるものの、優勝争いを大きく左右するという意味で大一番となった。しかも片やちょんまげ、片やさんばらであり、大銀杏を結えない者同士の優勝争いは異例である。
注目の一番だったが相撲は尊富士の圧勝だった。尊富士が大の里の右差しとかち上げを読んでいた。その上で尊富士が左を差すと大の里が右上手投げを打ってきたところを迷わず前に出て押し出した。尊富士は落ち着いており、勝負処で一気に前に出て勝負を付けた。判断力もさることながら出足が速いので相手も対応のしようがない。一方の大の里は立ち合いを読まれたことで相手に主導権を渡してしまったことが敗因である。馬力は素晴らしいものを持っているが、今後に向けては立ち合いの一工夫が求められる。
そして2敗の三人のうち貴景勝と湘南乃海が敗れて3敗に後退した。ということで10日目終了時点で全勝が尊富士、1敗はおらず、2敗が琴ノ若と大の里の二人となった。残り5日あるものの、10日目終了時点で二差単独首位は15日制以降36例あり、そのうち33例がそのまま優勝している。そして相撲内容も相手を圧倒しており、新入幕ではあるものの、110年ぶりの新入幕優勝が現実味を帯びてきた。
続く
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