真っ向勝負！ 平戸海 師匠の紹介
師匠の境川親方は現役時代は両国の四股名で活躍し、最高位は小結だった。相撲は四つ相撲も取れたが、胴長短足を活かした突き・押しを得意としていた。そして千代の富士を三度にわたって破るなど「千代の富士キラー」ぶりを発揮した。また顔はお相撲さんらしく強面だったが本当は優しい人との周囲の評判だった。面白いのが先述の通り境川部屋は出羽海部屋から分家独立したが、境川部屋が関取を次々に輩出する一方、出羽海部屋は次第に衰退し、ついには関取が一人もいないという事態に陥った。現在も関取は御嶽海一人である。面白いのが佐田の海が父の元小結・佐田の海からの勧めで境川部屋に入門したが、本人は父の所属していた出羽海部屋に入門するものだと思い込んでいたらしい。もと関脇貴闘力が言っていたが、良い師匠の下には良い力士が集まるということである。
もう一つは両国は大学相撲出身であり、日大卒業後に幕下付出で初土俵を踏んだが、大学時代のライバルだった栃乃和歌も同じく幕下付出でのデビューであり、競い合いながら番付を上げていったのを覚えている。栃乃和歌は最高位は関脇であり、大関候補でもあったが大関昇進は成らなかった。引退後は春日野部屋を継承し、現在に至っている。どちらも師匠という立場だが、両国は独立して部屋を繁栄させている。その点では対照的である。しかし信念を持ち、自信を持って指導しているというのは同じである。
続く