2026年7月場所個別評価 錦富士
今場所は東前頭13枚目だったが10勝5敗の好成績だった。黒星発進となったが2日目からは6連勝し、波に乗った。その後連敗したものの11日目に勝ち越しを決めると千秋楽は千代翔馬を押し出し、幕内では3年4か月ぶりとなる二桁勝利となった。
内容に関しては左四つに組み止める相撲で白星を挙げていた。3日目の金峰山戦は相手のモロ手突きをかわして懐に入ると右差し左おっつけで一気に寄り切った。首が変な方向に入ったらしく、取り口の記憶を思い出せないながらも会心の相撲だった。7日目の獅司戦は立ち合いで右に動かれたものの反応良くついて行った。そして右からいなすと突き放し、左へ回り込む獅司を送り出した。体が動いており、ここまでただ一人全勝だった獅司相手に何もさせない内容は見事だった。そして13日目の藤青雲戦は頭から当たって突き起こすと左を差し勝って右上手を取り、寄り立てると上手投げで豪快に裏返しにした。けんか四つの対戦だったが錦富士は四つに組むだけでなく押し相撲も取れ、自在性がある。当たってすぐに差し手争いをするだけでなく、押してから差す相撲もあるのが特長である。また十両時代を含めると対戦成績を6戦6勝とした。首などの怪我を抱えているが、体調さえ良ければこの位置では力が違う。
場所後の夏巡業は心房細動で休場したのが気になる。同部屋で同期入門の翠富士も心不全になっており、ひょっとしたら関連があるのかもしれない。無理をせず、できるだけ体調を整えて次の場所に備えたい。
9月場所は西前頭7枚目となった。勝ち越しを期待したいが満身創痍であり、場所に入ってみないと分からない部分もある。また同部屋で同じく青森県出身の尊富士も二桁勝利を挙げたのは心強い。ただ尊富士も怪我が多いので、143年続く同県出身の幕内力士継続を背負う立場は変わらない。若手力士が台頭するまでは何とか踏ん張って欲しいところだ。
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